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  白 金 散 歩 植物考

            

 植物解説

         北里大学名誉教授 小倉治夫

 

 

 

 

 

ソフィアプラザ辺

     ソフィアプラザ(2006.5.10

白金キャンパスTO DAY

3月

119:志賀桜(コッホ北里神社前)(2008.3.24撮影)

35:クロガネモチ(本館前)

真っ赤に熟した実が青空に映える

【2、3日後にムクドリが群れて、食べ尽くしていった(2.14撮影)】

112:ミツマタ(病院前)

2008.3.17撮影)

ジンチョウゲ(病院前)

2008.4.1撮影)

 

コブシ

(病院前:2009.3.1

コブシ

 

127:ユキヤナギ(病院前)

2009.3.17撮影)

3:アカバナトキワマンサク

(病院前)(2009.3.17撮影)

 

4月

36:ゲッケイジュの花

(コッホ神社前)(2009.4.6撮影)

アミガサユリ(根茎:バイモ)

(コッホ神社前)(2008.4.2撮影)

 

67:ソメイヨシノ

(生命研前:2009.4.6

67:ソメイヨシノ

(生命研前:2008.4.1

7:アセビ(病院前:有毒)

2008.3.17撮影)

7:アセビ(赤花)(病院前:有毒)

2008.3.17撮影)

 

5月

25:オリーブ(病院前:薬)

2008.5.26撮影)

117:モッコク(1号館裏)

2008.5.26撮影)

6月

27:ガクアジサイ2008.6.23撮影)

50:セイヨウシナノキ

(リンデンバウム)

(モスクワクレムリン)2008.6.18撮影)

124:ヤマモモの実

2008.6.30撮影)

実は食用:幹皮は楊梅皮といい、タンニンとフラボン配糖体をもつ。漁網染色。

リンドウ(世界遺産スズダリの原野)

2008.6.16撮影)

 

8月

 

50:シナノキ(実)

[2008.8.12 撮影]

79:ナギ(実) [2008.8.12 撮影]

【この木の左に男木がある】

 

9月

ミヤギノハギ(Lespedeza thunbergii)

2008..11.12撮影:芝公園)

 

ザクロ(Punica granatum)の実

2008.11.12撮影:松戸市)

果皮は扁桃炎、虫歯などに。根皮は駆虫に用いる

 

 

 

13:イチイ

13

薬用

イチイ

Taxus cuspidata Siebold et Zucc.

イチイ科(Taxaceae)

有毒植物

  イチイの葉にはタキシンという有毒アルカロイドが含まれるから注意が必要である。心臓毒で呼吸作用の衰弱を起こすほかに、胃腸炎の原因になる。材は良質で建築材、鉛筆、細工物等に使う。かつて「笏(しゃく)」を飛騨の位山(くらいやま)にあるこの木で作ったので、朝廷から官位の「一位」を賜って、「イチイ」の名になった。同様に、「笏の木(しゃくのき)」ともいう。

 

21:エフェドラ・ゲラルデイアナ(マオウ)

21

薬用

エフェドラ・ゲラルディアナ

Ephedra gerardiana Wall.

マオウ科(Ephedraceae)

マオウの主成分エフェドリン

  明治17年、ドイツから帰国した長井長義は我が国「薬学」の開祖で、漢方薬の成分研究に着手し、翌明治18年(1885)、「麻黄」からエフェドリン(麻黄の学名:Ephedra sp.からとった名前)を発見した。我が国の天然物化学の嚆矢である。

マオウ:白金キャンパス

「ソフィアプラザ」

 [2004.10.7 撮影]

マオウの花:相模原キャンパス

「薬用植物園」

 [1994.5 撮影]

 

98:ヒトツバタゴ(ナンジャモンジャの木)

98

ヒトツバタゴ

Chionanthus retusus Lindl. et Paxton

モクセイ科(Oleaceae)

 薬学部1号館と3号館の空間にすばらしい日溜まりの憩いの場ができた。ここはもと中道理通りと呼ばれた公道あとと、旧北里研究所研究棟の跡地である。この中庭はソフィアプラザと名を変えて学生をはじめ、入院患者たちの憩いの場となっている。ここには18本のヒトツバタゴ(なんじゃもんじゃの木)が植えられている。4月下旬から5月はじめにかけて純白の可憐な花を咲かせる。

  ヒトツバタゴ(なんじゃもんじゃの木)は東京では、明治神宮外苑の絵画館まえにあるのが有名で、江戸時代には六道の辻にあって、「六道木」と呼ばれていたものの末裔である。明治18年、政府はこれを買い上げて保存し、明治36年、白井光太郎博士(元帝国大学教授)が陳情して保護願いをだし、大正13年12月、天然記念物の指定を受けたが、樹齢百数十年をへて、昭和8年に枯死した。この木の勇姿は、絵画館の壁画(小林万吾画:凱旋観兵式)に描かれている。現在のものは2代目で、白井博士が根接ぎ法によってえたものである。(明治神宮外苑案内書から) 

  ナンジャモンジャ(ヒトツバタゴ)の木は都内十数カ所に生えているとのことであるが、筆者の知る限りでは、御徒町公園のもの(写真)が見事である。

明治神宮外苑絵画館前のヒトツバタゴ(2003.5.6撮影)

御徒町公園のヒトツバタゴの木 (2003.5.6撮影)

 

外苑運動公園のヒトツバタゴの花(2003.5.6撮影)

白金キャンパスのヒトツバタゴ(2003.4.30撮影)

 

白金キャンパスソフィアプラザのヒトツバタゴ

2004.4.20撮影)

 

10:アメリカイワナンテン

10

アメリカイワナンテン

 レインボー

Leucothoe catesbaei (Walter) A.Gray 'Rainbow'

ツツジ科(Ericaceae)

   

   アメリカイワナンテンの花 [2006.5.10 撮影]

 

 アメリカイワナンテンはグランドカバーとしてよく使われるもので、洋風庭園にあう北米原産の常緑低木である。写真のようなかわいい花をつけるがあまり人にかえりみられない。もっぱら群生する葉の美しさに引かれる。

 

49:サンシュユ(山茱萸)

49

薬用

サンシュユ

Cornus officinalis Siebold et Zucc.

ミズキ科(Cornaceae)

 中国原産であるが、朝鮮を経て移植された。享保7年(1722)8代将軍吉宗が小石川薬園を開設した時にあたる。以来、武家屋敷には欠かせない樹木の一つになった。「庭の山茱萸(さんしゅゆ)の木・・・」という民謡は名高い。

 秋、赤く実った果実を熱湯に浸して種子を取り除き、果肉を乾燥したものを薬用にする。強壮、補腎剤として漢方でも処方される。

 

サンシュユの花(上)

[2004.3.27 撮影]

(松江の武家屋敷庭園)

右:ソフィアプラザ

2008.3.17撮影)

 処方例:六味丸、左帰飲(さきいん)

8:アマチャ

 8

薬用

アマチャ

Hydrangea macrophylla Ser. var. thunbergii Makino

ユキノシタ科(Saxifragaceae)

 

 アマチャ(甘茶)

 アマチャは葉を乾燥すると甘くなるので、これを煎じて甘茶をつくり、4月8日の釈迦誕生日には釈迦像に甘茶をかけて祈る。ヤマアジサイの一種である。甘味成分;フィロズルチン、イソフィロズルチンでサッカリンの2倍、蔗糖の1000倍の甘さがある。糖尿病患者の甘味料とする。

 

アマチャ [2007.5.22 撮影]

 

73:ツルニチニチソウ

73

薬用

ツルニチニチソウ

Vinca major L.

キョウチクトウ科(Apocynaceae)

 地中海沿岸原産の蔓植物で大変旺盛な繁殖力がある。春から夏にかけて青い花をつける。茎を切ると白汁を出す。インド—ルアルかロイドを含み、悪性腫瘍治療薬となる。

ツルニチニチソウ [2007.5.22撮影]

 

115:メタセコイア

115

メタセコイア

Metasequoia glyptostroboides Hu et W.C.Cheng

ヒノキ科(Cupressaceae)

 「メタセコイア」は中国の原産で、1949年に我が国に輸入され、今では全国至る所に植えられている。挿し木でもよく活着し、成長も早い。これと同じスギ科で、名前も姿形もよく似た「セコイア」は「イチイモドキ」とも呼ばれ、アメリカ北西部に自生する、世界最大の常緑針葉樹である。このほうは江戸時代末期から明治にかけて、我が国に渡来した。 メタセコイアも幼木はイチイに似ている。13がイチイだから比較してみるとよい。

メタセコイア [相模原キャンパス—クレセント脇]

 

コッホ・北里神社辺

5:アジサイ

 

 

アジサイ

 

 

Hydrangea macrophylla Seringe var. otaksa Makino

ユキノシタ科(Saxifragaceae)

  アジサイは日本原産のヤマアジサイから育成されたもので、シ−ボルトが愛人のお滝さんから、学名をotaksa とつけたのは有名な話である。

 

5:アジサイ

27:ガクアジサイ2008.6.23撮影)

 

 その後、ヨーロッパで改良園芸品が多く作られて我が国に逆輸入されて、花屋の店頭を飾っている。ヒドランゲノールおよび、その配糖体を含むが、アマチャのようにヒロズルチンを含まないから甘くない。

 

6:アシタバ

 

アシタバ

Angelica keiskei (Miq.) Koidz.

セリ科(Umbelliferae)

 

 

 

アシタバ

[2008.4.7撮影]

 

アシタバの花[2008.10.19]

 

アシタバの葉を食べ尽くしたカラスアゲハの幼虫[2008.10.9]

 

 アシタバは「ハチジョウソウ」とも呼ばれるように、本州南部の海岸近くに育つ多年草で、若葉は食用になる。茎を折ると黄色い液がでるが、若葉と茎を食べる。我が家では朝のみそ汁の具に、庭からとって来てそのまま使う。

  アシタバはカラスアゲハの食草で、幼虫が群がって葉を食べる。

 

7:アセビ

 

アセビ

Pieris japonica (Thunb.) D.Don ex G.Don subsp. japonica

ツツジ科(Ericaceae)

 早春の頃、白、または赤色のツボ型の穂状花をつける。有毒で動物が食べると、足がよろめくので、古くは「アシビ」といった。また、「馬酔木」というのも同じ語源である。有毒成分アセボトキシンを含む。

アセビ(白花)(病院前)

2008.4.1撮影)

アセビ(紅花と白花:萬葉植物園

2008.3.27撮影)

 

14:イチョウ

 

14

薬用

 

イチョウ

Ginkgo biloba L.

イチョウ科(Ginkgoaceae)

 イチョウは中国原産であるが、平瀬作五郎が小石川植物園にあるイチョウから、種子植物で花粉の精子が卵を受胎させることを発見して世界に知られた。銀杏(ginkyo)に由来するginkgo(実は書店の誤植という)が英名になった。その結果、世界的には日本原産と思われている。守衛室横にあるイチョウは手前が雄木で、奥の方が雌木である。イチョウの雌雄は秋の収穫まで待たないでも、完全ではないが葉を見ればある程度分かる。

 イチョウは病害虫に強く、さらに火災にも強いので戦火にもたえて東京にも各所に老樹が残っている。有名なものの一つに善福寺の大銀杏がある。この樹は親鸞聖人御杖銀杏呼ばれて、挿し木で生えたものと言われている。根がせり上がって枝先が下にのびているから「逆さイチョウ」として知られる。都内最古・最大(樹周10.4メートル;鬼子母神8メートル)のもので樹齢は推定750年以上、ほぼ年代が符合する。大正15年10月20日、国指定の天然記念物となっているが、昭和20年、戦災で本堂が焼失したときには大変痛んだとあるが、回復して気根をのばしている。この樹は雄株で実がならない。

 この大樹を見晴らす地に福沢諭吉の墓がある。一万円札は落ちていないが、墓に詣でればなにがしかの功徳があるかも知れない。銀杏の大樹下にはこの樹の生みの親である「親鸞上人像」が立っている。

  

 都内最古、最大の善福寺の大銀杏[2004.12.1 撮影]

 

    雌木の葉

   雄木の葉

 

36:ゲッケイジュ(月桂樹)

35

薬用

ゲッケイジュ

Laurus nobilis L.

クスノキ科(Lauraceae)

 現在、コッホ・北里神社の後にあるゲッケイジュはコッホ先生来日の際に植樹した記念樹のヒコバエである。元の記念樹は白金(しろかね)台(北里(きたさと)研究所が創設された白金もシロカネと発音する:シロガネと誤って発音する人が多いのには嘆かざるをえない:北里(キタサト)キタザトと誤って発音する人が学内にも多いのは困った事の国立伝染病研究所に明治41年6月、コッホ来日の際に植えられた。大正3年、北里(キタサト)柴三郎が国立伝染病研究所を辞めて北里研究所を創ったとき、所員一同が辞したのはよく人の知るところである。そのとき、このゲッケイジュのヒコバエも記念碑とともに移転した。

 

 ゲッケイジュは雌雄異株。葉や実に芳香があり、薬用、香料(ロリエ)とする。古来、勝者の名誉の象徴として冠とした。

 

36:ゲッケイジュ

 [2004.3.9 撮影]

36:ゲッケイジュの花

 [2009.4.6 撮影]

 

 

96:ヒガンバナ(マンジュシャゲ)

96

ヒガンバナ

(マンジュシャゲ)

Lycoris radiata Herb.

ヒガンバナ科

(Amaryllidaceae)

 正門右にあるコッホ先生お手植えの杉碑根方にヒガンバナが植えられている。秋の彼岸になると、どんな暑い夏を過ごしたときも、どんな冷夏でも同じ頃に咲き出すのが不思議である。この花の名の由来は開花の季節に因ってつけられたものであるが、別名の「マンジュシャゲ」は梵語の「曼珠沙(まんじゅしゃ)」(赤い花の意)に由来する。インドにはこの花はないから、日本人が付けた名前である。中国原産の植物で、中国名は「石蒜(せきさん)」であるが中国のものは2倍体で結実するが、日本のものは3倍体で結実しない。もっぱら球根で繁殖する生命力の強い、痩せ地でもよく育つ植物である。

 ヒガンバナの鱗茎はリコリンなどの有毒アルカロイドを含み、浮腫などの外用薬とする。有毒物を除いたものからはよい澱粉がえられるので、救荒植物としても重要である。

 

ヒガンバナ(96)とフイリヤブラン(105)[2007.9.27 撮影]

 

105:フイリヤブラン

105

フイリヤブラン

Liriope muscari (Decne.) L.H.Bailey f. variegata (L.H.Bailey) H.Hara

ユリ科(Liliaceae)

 フイリヤブランは観賞用が主であるが、ヤブランは根の肥大部分を日乾ししたものを「大葉麦門冬(だいいようばくもんとう)」とよんで鎮咳去痰剤とする。薬効は「麦門冬」(【ジャノヒゲ】54)と同じである。

 

119:ヤエベニシダレ(志賀桜) 

119

薬用

ヤエベニシダレ

(シガザクラ)

Prunus pendula Maxim. cv. Pendula イトザクラ Syn.: Cerasus spachiana Lavalée ex H.Otto cv. Pendula

バラ科(Rosaceae)

志賀桜

 正門右にあるコッホ・北里祠の前に「しだれ桜」が2本あるが、これは北里研究所創設(大正3年)以来のもので、赤痢菌の発見者志賀潔(当時部長)が生まれ故郷の仙台から移植した30数本のヤエベニシダレ「仙台八重枝垂(仙台小桜)」の生き残りである。この桜はもと、京都の近衛家の庭にあったものを明治時代に仙台市長遠藤康治が譲り受けて増殖して各地に贈ったものの一部で、有名なものでは平安神宮奥苑にあるシダレザクラも同種で仙台市長遠藤康治が贈ったものである。

 

志賀潔が仙台から移植した「志賀桜【筆者命名】」左手にコッホ・北里神社
2004.3.26本館屋上から撮影)

 

 

道路側からみた

「志賀桜」
このところ、大分老化して手前の樹の開花はおくれた(2004.3.26撮影)

 

病院前駐車場辺

18:ウメ(白花)38:(紅梅)

 

18

薬用

38

ウメ(白花)

 

紅梅

Armeniaca mume (Siebold et Zucc.) de Vriese, Syn. = Prunus mume Siebold et Zucc.

バラ科(Rosaceae)

 ウメは中国原産。万葉の時代から九州で植栽されその果実を梅干しや、梅酒とした。青酸配糖体アミグダリンを含み、抗菌,抗真菌作用がある。白梅、紅梅とも同じである。

 漢方では烏梅丸(うばいがん)秦艽別甲湯(じんぎょうべつこうとう)に用いる。

病院前の紅梅 [2007.2.15撮影]

 

25:オリーブ

25

オリーブ

Olea europea L.

モクセイ科(Oleaceae)

 オリーブは地中海沿岸の原産で、紀元前3000年すでに栽培されていたものである。実から「オリーブ油」を作り薬用、食用に供する。

25:オリーブの花(病院前)

2008.5.26撮影)

オリーブの実(病院前)

2007.8.20撮影:

 台風9号で落果]

32:クスノキ

32

クスノキ

Cinnamomum camphora (L.) J.Presl

クスノキ科(Lauraceae)

 クスノキは中国江南の原産で、我が国では今や各地に植栽されている。カンファーなどの精油を含むから葉を採って匂いをかぐとすぐに分かる。病院玄関前のクスノキは見事である。

 d-カンファーを主成分とする精油を含み、大脳皮質興奮作用、強心作用、血管拡張作用などがある。

 

病院玄関前のクスノキ

   と花

 

 

34:クロガネモチ

34

クロガネモチ

Ilex rotunda Thunb.

モチノキ科(Aquifoliaceae)

 クロガネモチは暖地性の常緑高木で、雌雄異株。秋から冬になると赤い実が目立つようになる。正門から入って左側の本館前に雌株がならび、冬のキャンパスを彩り、真っ赤に熟した実が青空に映える。

    

【2、3日後にムクドリが群れて、食べ尽くしていった(2008.2.14撮影)】

 

50:シナノキ

50

シナノキ

Tilia japonica Simk.

シナノキ科(Tiliaceae)

T.miqueliana Maxim.(ボダイジュ)とは異なる

 シナノキの花

  

 

 シナノキは日本産のもので、学名Tilia japonica。中国産のT.miqueliana Maxim.(ボダイジュ)とは異なる。日本産のシナノキは樹皮繊維が強くシナ布を織り、ロープにする。信濃(しなの)の国名や更科(さらしな)の地名もシナノキを産出したことに由来する。一般には菩提樹と呼んでいるが、ヨーロッパの歌に有名な「リンデンバウム」は「ナツボダイジュ:T.pltyphyllos」と「フユボダイジュ: T.cordata」の雑種で、【セイヨウシナノキ: T.×europaea】である。ヨーロッパ各地の街路樹や庭園に植えられている。

 

50:セイヨウシナノキ

(リンデンバウム)

モスクワ市街の街路樹

 2008.6.19撮影)

 

  ボダイジュの実は念珠を作るのに用いる。釈迦が悟りを開いたと言う「菩提樹」はインドボダイジュクワ科Ficus religiosaで全く異株の植物である。

 

T.miqueliana Maxim.(ボダイジュ)の実で作られた念珠

 

 

85:ハアザミ(アカンサス)

85

ハアザミ

Acanthus mollis L.

キツネノマゴ科(Acanthaceae)

 

  上記のシナノキの根方に、地中海沿岸に自生する宿根草でアザミの様な大きな葉の中央から花柱をのばすハアザミがある。夏に写真のような西洋風の花をつける。この葉は古代のギリシャ・ローマ時代のコリント様式デザインに使われた。

ハアザミ(アカンサス)

2008.6.23撮影)

旧岩崎邸 2006.5.22撮影)

アカンサスをモチーフにした階段(旧岩崎邸)

 

 

 

00:コブシ(辛夷)

00

薬用

コブシ

Magnolia kobus DC.

モクレン(Magnoliaceae)

 日本や朝鮮半島南部に分布する落葉高木で、春に6枚の花弁をもつ白い花をつける。花蕾を開花直前に採取して陰干しにして薬用にする。シトラールなどの精油を含み、頭痛などの鎮痛剤とする。

 漢方では、辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)葛根湯辛夷川芎(かっこんとうしんいせんきゅう)などに処方する。

 

00:ヤマボウシ

00

 

ヤマボウシ

Cornus kokousa

ミズキ(Cornaceae)

 本州や朝鮮半島南部に分布する落葉高木で、春に葉の上に白い花をつける。実を食用にする。この種の近縁種にアメリカヤマボウシがある。

 

  ヤマボウシ 2008.5.22撮影)

 

63:スダジイ

63

スダジイ

Castanopsis sieboldii (Makino) Hatus. ex T.Yamaz. et Mashiba

ブナ科(Fagaceae)

  スダジイは常緑高木で雌雄同株である。高さ25メートルにもなる大木であるが、庭園にも植えられる。北里研究所には開設当時相当数のスダジイが植えられた。旧伝染病研究所(白金台)敷地内にも北里柴三郎開設当時からの多くのスダジイの巨木がある。

 「本館ホール横道路脇の椎」

  この「椎」は北里研究所創設当時、本館裏の木造研究室の前に植えられた二本の「椎」の一本である。片方の木は実がなるので、雌雄といわれた。所員は朝夕、この木を眺めて研究にいそしんだと言う。2号館が建築されたとき撤去されるところを、笠原四郎教授が「なんとしても助けたい」と、植え替えられたものである。実のなる方は残念ながら老化が進行していて、植え替えが不可能であった。

建設当時のE 号館(現3号館)前景:2本の椎があり、左奥に北里研究所本館がみえる(北里学園25年の歩みから)

 

 

ここではよく記念撮影が行われた(右の2本が椎の木)

 

志賀桜の左にある椎の木

(上の写真の2本のうち1本は空洞ができていて移植不可能であった)

スダジイの花

2008.4.11撮影)

 

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貴重な遺品を護ってきた人々に感謝

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植物雑話

シキンソウ雑話

  シキンソウが今年も咲いた。シキンソウは昭和14(1939)、山口誠太郎が黒田辰一郎と共に、南京の紫金城に咲く青い花の大根の種を採取して日本に持ち帰り、「紫金草」と名付けて広く種子を配布してから、全国に広まったものである。この花は古く、宝永・正徳年間(1704-1716)に来日したもので、その名前は「ショカツサイ(諸葛菜)」といって、江戸時代にすでに栽培されたものである。

 

      File written by Adobe Photoshopィ 4.0

庭に咲いた「シキンソウ」【黒田辰一郎博士から頂いた種子】

  この花には、「シキンソウ」のほかに「ハナダイコン」「ダイコンバナナ」「オオアラセイトウ」などの名が付けられて全国で見ることが出来る。最近では、朝日新聞2003年4月20日13版34ページに「平和の願い南京に咲かせたい」というテーマで、南京大虐殺記念館の周囲に建設予定の公園に、紫金草の咲き乱れる平和の花園を建設する予定とのことである。その計画の中心人物が、前述の山口誠太郎博士の息子さんの裕氏で、会員の一人−大門高子さんからも連絡を頂いた。黒田先生は当時、山口少将のお付武官であったとのことである。紫金草公園の成功を祈りたい。

  筆者が1994年、南京城を訪問したときの写真がある。城内では盆栽展を行っていて、結構な人出であった。城門の大きさと屋上の広さに圧倒された記憶がある。

 

 南京城中華門(上)とその中庭(1994

 

白金散歩 植物考】小倉治夫 2009.4.24   

ご意見・ご質問は e-mail: ogura@juno.ocn.ne.jp

                  Tel: 047-385-9395  へどうぞ


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